字幕づくり 第12回


今回は "Maroon 5" の "Moves Like Jagger feat. Christina Aguilera" を。



彼らの代表曲の一つであると同時に、2011年を代表する曲。
ミックへのリスペクト、そしてクリスとのコラボ。
もう最高です。






- Lyrics -


Oh, yeah
Oh!

[Verse 1:]
Just shoot for the stars
If it feels right
And aim for my heart
If you feel like
And take me away and make it OK
I swear I'll behave

You wanted control
So we waited
I put on a show
Now I make it
You say I'm a kid
My ego is big
I don't give a shit
And it goes like this

[Chorus:]
Take me by the tongue
And I'll know you
Kiss me 'til you're drunk
And I'll show you

All the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger

I don't need to try to control you
Look into my eyes and I'll own you

With them moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger

[Verse 2:]
Maybe it's hard
When you feel like you're broken and scarred
Nothing feels right
But when you're with me
I'll make you believe
That I've got the key

Oh
So get in the car
We can ride it
Wherever you want
Get inside it
And you want to steer
But I'm shifting gears
I'll take it from here (Oh! Yeah yeah!)
And it goes like this (Uh)

[Chorus:]
Take me by the tongue
And I'll know you (Uh)
Kiss me 'til you're drunk
And I'll show you

All the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger

I don't need to try to control you (Oh, yeah)
Look into my eyes and I'll own you

With them moves like Jagger
I've got the moves like Jagger (Yeah yeah)
I've got the moves like Jagger

[Bridge:]
You wanna know how to make me smile
Take control, own me just for the night
And if I share my secret
You're gonna have to keep it
Nobody else can see this

So watch and learn
I won't show you twice
Head to toe, oooh baby rub me right
But if I share my secret
You're gonna have to keep it
Nobody else can see this (Ay! Ay! Ay! Aaay!)

And it goes like this

[Chorus:]
Take me by the tongue (Take me by the tongue)
And I'll know you
Kiss me 'til you're drunk
And I'll show you (Yeah yeah yeah!)

All the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
(Oh, yeah)
I don't need to try to control you
Look into my eyes and I'll own you

With them moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger








※今回のポイント※


特別に難しい言葉や言い回しはないのですが、
慣用句を用いるべきか、直訳した方が良いのか……。
そんな風に悩む場面が多々ありました。






Just shoot for the stars
If it feels right
And aim for my heart
If you feel like


"shoot for" も "aim for" も「~を目指せ・狙え」
そんな使われ方をします。
後者の方が少し堅い言い方かな。

"shoot for the stars" は直訳するならば、
「あの星々を目指せ・狙え」になるんですが、
「高望みをする」というイディオムでもあります。
でも、歌詞の訳としてはちょっと違和感があるので、
ここは直訳の方がベターに思います。

次は "aim for my heart" の部分。
わざわざ "shoot for" から "aim for" に変えてあるのだから、
訳もちょっと変えたいですよね。
こっちは "my heart" にかかるワケですので、
「狙え」がしっくりきますね。
じゃあ、"shoot for" の方は「目指せ」にしましょうか。

”ただ 高みを目指せよ
 本気ならな
 俺のハートを狙えよ
 その気ならな"







You wanted control
So we waited


「お前がコントロールしたがるから、俺たちは待っていた」
ものすごく簡単な文章ですが、
字幕を作る際にはこういうので悩む時があります。

「コントロールしたがる」って文字数が多いでしょ?
後半の「俺たちは待っていた」も ?? という感じ。
これを字幕用に直さないといけないんです。

難しいのは、たぶんこの場合「コントロール」にするのが
一番ニュアンスが伝わりやすく正確だということ。
「管理」「抑制」「制御」「支配」
色々な言葉がありますが、どれも堅いですよね。

こういう時は、先に後半の "we waited" を考えます。
一体何を「待っていた」のでしょう?
先を読み進めていくと分かると思いますが、
この曲は「男と女」のお話なんですね。
そうしたらもう、待っていたのは「男と女のアレ」
それしかないじゃないですか!

そこが見えてくると、
「待っていた」=「先に進まなかった」
と言い換えるコトができます。

じゃあ、「コントロール」もちょっと意訳して、
こんな風に字幕を付けてみましょう。

”お前に任せてたから
 先に進まなかったんだ"







I put on a show
Now I make it


"put on a show" は「ひと芝居打つ」という慣用句です。
でもこれも、直訳の方が意味の通りが良いです。
だって、別にひと芝居打ってないんだもん。

”ショーを見せてやるぜ
 今ならやれるさ"








I don't give a shit
And it goes like this


"I don't give a shit" は「私は う○こ をあげない」
そんなワケないですよね(笑)

これは 「関係ねーよ」「知らねーよ」「どうでもいーわ」
みたいな感じ良く使われます。
"I don't care" の砕けたバージョン的な位置。


"it goes like this" も同様に良く使われる言い回しで、
「こんな感じ」「こんな風」「こういう事」
みたいに訳すことができます。

では、字幕にします。

”知ったこっちゃねえよ
 つまりは こういうことさ"











Take me by the tongue
And I'll know you


「その舌で、俺を連れ去ってくれ」
ここはサビで何度も繰り返されるので、
リズム良く、かつインパクトも欲しい所。

まず、"the tongue" をカギ括弧付きの「舌」にして
目立つようにします。
これには重要な意味があるので、後ほど解説を。

次に "Take me" も工夫しましょう。
こういう部分に腕の差が出てくると思います。
「舌」で連れ去るのなら、別の言い方ができますよね、
男と女の歌なんですから。

”「舌」でイカせな
 お前が分かるから"









All the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger
I've got the moves like Jagger


おそらく、"Jagger" と聴いた日本人の大多数は、
「豹に似た猫科の大型肉食獣」とか「英国の高級車」
を想像してしまうでしょう。
日本人にとっての「ジャガー」とはそういうもんです。
実際の発音は全然違うんですけどね。
何より、そっちは "Jaguar" ですしね(笑い)

じゃあ一体 "Jagger" って何なの!?

答えを言っちゃうと、ザ・ビートルズとともに
ロックの代名詞的な存在である、
「ザ・ローリング・ストーンズ」のボーカル、
「ミック・ジャガー」その人です。

さあ、なぜ先ほど「舌」と字幕で強調したのか、
勘のいい人はもうお分かりでしょう。
「ザ・ローリング・ストーンズ」のシンボルとも言えるのが
有名なあの「舌出しマーク」なんです。

だから、先ほどの "Take me by the tongue" も
「ローリング・ストーンズの音楽でハイにしてくれ」
というニュアンスが込められていると考えるべきです。
また、少しでもそれが汲み取れる字幕にすべきだと思います。










So get in the car
We can ride it
Wherever you want
Get inside it
And you want to steer
But I'm shifting gears
I'll take it from here
And it goes like this


ここは特に難しい部分はないので解説しませんが、
この手の曲で「クルマ」とか「ドライブ」というのは、
大体「セックス」の暗喩だと思ってください。
それを念頭に置けば、より良い訳にできると思います。









You wanna know how to make me smile
Take control, own me just for the night
And if I share my secret
You're gonna have to keep it
Nobody else can see this


さあ、お待ちかね。
クリスティーナ・アギレラの時間です。
内容は難しくないので、一気に字幕を作ります。
二行目をどう訳すかがポイントかな?
とにかくセクシーに。

”知りたいんでしょう?
 私の喜ばせ方

 思い通りにして
 一晩 好きにしていいわ
 もし 秘密を知っても
 誰にも言っちゃダメよ
 他の人には見せないんだから"






So watch and learn
I won't show you twice
Head to toe, oooh baby rub me right


直訳すると
”だから、見て学んで
 二回は見せないわ
 頭からつま先まで
 ベイビー
 しっかりこすって"

これをもうちょっとセクシーに、
そして歌のタイミングに合わせて字幕にします。

”だから しっかりとおぼえて
 二度目はないわ
 どこもかしこも ―
 ちゃんと触って"






繰り返されるサビの部分は、
今回も前半と後半で少し変えてあります。
よりエッチくなっています。
コチラで確認してくださいね。





あ、字幕作成とは直接関係ないのですが、
今回最初にこの動画をアップした際、
ニコニコのアカウント停止処分を受けてしまいました。
どうやら、女性の乳首が映っていたのが問題のようです(笑)

仕方がないので、モザイク処理をして再アップ。
余計エロくなったような気が……。




いやぁ、字幕って本っ当に難しいもんですね。
ではまたお会いしましょう。







↓ 今回の曲はコチラ ↓


Maroon 5 - Moves Like Jagger feat. Christina Aguilera







収録アルバム
Overexposed
Maroon 5
A&M / Octone
2012-06-26


収録アルバム(デラックス盤)(MP3)