字幕づくり 第15回
今回は "Eric Clapton" の "Change the World" を。
今回は "Eric Clapton" の "Change the World" を。
※動画はライブ版
映画「フェノミナン」の劇中歌。
多くのCMなどにも使われ、一般的な知名度も抜群ですが、
実はカバー曲というのも面白い所。
"Babyface" のプロデュース。
第39回グラミー賞(1997)において、
最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀ポップ男性ボーカル賞受賞。
- Lyrics -
If I could reach the stars
Pull one down for you,
Shine it on my heart
So you could see the truth:
That this love inside
Is everything it seems.
But for now I find
It's only in my dreams.
And I can change the world,
I will be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.
If I could be king,
Even for a day,
I'd take you as my queen;
I'd have it no other way.
And our love would rule
This kingdom we had made.
'til then I'd be a fool,
Wishing for the day...
That I can change the world,
I would be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.
Baby if I could change the world.
I could change the world,
I would be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.
Baby if I could change the world.
Baby if I could change the world.
※今回のポイント※
もともとがカントリーという事もあり、素朴な歌詞。
なかなか個性を出すのが難しく、
誰が訳しても似たり寄ったりになりそうです。
でも、無理に個性を出そうとして、
下手な小細工を弄しないほうが良いかなと。
素直に訳しながら、字幕用に区切っていきます。
If I could reach the stars
Pull one down for you,
Shine it on my heart
So you could see the truth:
”もし 星に手が届くなら
君のために ひとつ掴んで
この心を照らすよ
そうしたら
君も真実が見えるはず"
That this love inside
Is everything it seems.
But for now I find
It's only in my dreams.
”この胸に秘めた愛こそが
全てだと思う
でも 今はまだ ―
夢の中だけのハナシ"
And I can change the world,
I will be the sunlight in your universe.
You would think my love was really something good,
Baby if I could change the world.
ここも難しくはないのですが、いくらか考える部分が。
"And I can change the world"
ここは面白いんです。
後半の "Baby if I could change the world" の
インパクトが強いせいか、
「もし、世界を変えることができるなら」と訳している人が多い。
でも、明らかにここは「世界を変えることができる」です。
少しの違いですが、歌の内容が全然変わっちゃうので注意。
"I will be the sunlight in your universe"
"universe" は「宇宙」ひいては「世界」なので、
「君の世界で日の光になる」なんですが、
この前の文で "world" があるので悩みます。
特に前文は「世界を変える」と言っているので、
同じ「世界」という単語は使いたくありません。
"world" を「世間」とか「世の中」と読む事もできますが、
意味が変わってきちゃうのでナシですね。
そうなると、やっぱり素直に "universe" を
「宇宙」にしておくのが無難かも。
読んでいる人がそれぞれ
「せかい」とか「そら」みたいに読んでくれればと。
そう、キラキラネームみたいに(笑)
"could" と "would"
学校では、"can" と "will" の過去形だと習います。
でも、単純に「過去」だと思うと痛い目にあいます。
「過去」じゃないなら一体何なのかと言うと、
これは「丁寧な言い方」「かしこまった言い方」なんです。
日本でも、目上の人に対しては言葉を変えたりしますよね?
丁寧語とか謙譲語とか。
どうやら英語では「時系列を変える」事によって、
それを表現する場合があるみたいなんですね。
とにかく、ここでは「単純に過去じゃない」
とだけ覚えておけば良いと思います。
”僕は ―
世界を変えられるんだ
僕が君の宇宙の
太陽になる
僕の愛が
こう思えるよ
本当にいいものだって
もし 僕が
世界を ―
変えられるなら … "
If I could be king,
Even for a day,
I'd take you as my queen;
I'd have it no other way.
"Even for a day" は「ただの一日でも」ですが、
前の文にかかっているとちゃんと分かるようにします。
”もし 王様になれるなら
それが 一日だけでも
君を王妃に迎えるんだ
他には考えられないよ"
And our love would rule
This kingdom we had made.
'til then I'd be a fool,
Wishing for the day...
"rule" は動詞だと「統治・支配する」の意味に。
"fool" は「馬鹿」が真っ先に思いつきますが、
この場合は「道化」の方が雰囲気に合います。
"wish" は「願う」なんですが、
その対象は「実現不可能なもの・容易には得られないもの」
というニュアンスがあります。
ですから「夢見る」というのもアリかなと。
”そして 二人の愛が治めるのさ
ともに作り上げた王国を
それまでは道化でいるよ
そんな日を夢見て … "
こうしてみると、少し切なさがありますよね。
ただ甘ったるいだけじゃない。
長年この曲が愛されている理由だと思います。
完成品はコチラから。
いやぁ、字幕って本っ当に難しいもんですね。
ではまたお会いしましょう。
↓ 今回の曲はコチラ ↓
Eric Clapton - Change the World
↓ 収録ベストアルバム ↓
クラプトンのベストアルバムと言えばコレ
特典内容に批判が集まっていますが、収録曲数は多い
はじめての人はコレもあり
↓ ライブパフォーマンス ↓
"Change the World" の収録はないものの、クラプトンの集大成的な内容
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