字幕づくり 第20回


おかげさまで早くも20回目です。
いつもご覧くださる皆様、ありがとうございます。

最近は「重め」の曲が続いたので、
今回は誰もがテンションの上がる作品をお送りします。
"Maroon 5" の "Sugar" です。




もし、実際にこんな事をされたら、
パニクってうれションする自信があります(笑)






- Lyrics -


I'm hurting, baby, I'm broken down
I need your loving, loving
I need it now
When I'm without you
I'm something weak
You got me begging, begging
I'm on my knees

I don't wanna be needing your love
I just wanna be deep in your love
And it's killing me when you're away, ooh, baby,
'Cause I really don't care where you are
I just wanna be there where you are
And I gotta get one little taste

Your sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me?
I'm right here, 'cause I need
Little love, a little sympathy
Yeah, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life
Your sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me?

My broken pieces
You pick them up
Don't leave me hanging, hanging
Come give me some
When I'm without ya
I'm so insecure
You are the one thing, one thing
I'm living for

I don't wanna be needing your love
I just wanna be deep in your love
And it's killing me when you're away, ooh, baby,
'Cause I really don't care where you are
I just wanna be there where you are
And I gotta get one little taste

Your sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me?
I'm right here,
'Cause I need
Little love, a little sympathy
Yeah, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life
Your sugar! (sugar!)
Yes, please (yes, please)
Won't you come and put it down on me?

Yeah
I want that red velvet
I want that sugar sweet
Don't let nobody touch it
Unless that somebody's me
I gotta be your man
There ain't no other way
'Cause girl you're hotter than a southern California day

I don't wanna play no games
You don't gotta be afraid
Don't give me all that shy shit
No make-up on
That's my

Sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me (down on me)?
I'm right here (right here), 'cause I need ('cause I need)
Little love, a little sympathy
So, baby, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life
Your sugar! (sugar!)
Yes, please (yes, please)
Won't you come and put it down on me?

Sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me?
I'm right here, 'cause I need
Little love, a little sympathy
Yeah, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life

Your sugar! (sugar!)
Yes, please (yes, please)
Won't you come and put it down on me? (down on me, down on me)







※今回のポイント※


マルーン5の曲を訳する時にいつも思う事があります。
彼らの作る歌詞は、良く言えば生きた英語なのですが、
いわゆる教科書通りではなくとてもユニーク。
だから、日本の英語教育がベースだと訳すのが難しいです。

この感じ、どう言えば伝わるでしょうか?
「外国人が、サザンオールスターズの曲を母国語に訳す苦労」
この例えが「当たらずといえども遠からず」でしょうかね。

隙があれば「エッロい感じ」を放り込んでくる辺りも、
確かに少し似ているかもしれません。

とにかく、念頭に「一筋縄ではいかない」と置いておく。
それが肝要に思われます。









I'm hurting, baby, I'm broken down
I need your loving, loving
I need it now
When I'm without you
I'm something weak
You got me begging, begging
I'm on my knees


"I'm something weak"
日本の教科書には、まずこういう書き方しないですよね。
ムリに直訳するなら「なんか弱いモノ」でしょうか?
意訳するなら「ちっぽけな存在」とかもイケますかね?
でも、字幕ではもっと簡単に「まるでダメ」としました。


"You got me begging, begging
 I'm on my knees"

You got me" は以前に
「一本取られた」→「やられた」「降参した」と
紹介したことがありますが、この場合は
"get+目的語+doing" で「~させる」です。

ですから直訳は、
「君は、僕に膝をつかせて懇願させた」になります。


" 傷ついてるよ
 ボロボロさ
 君の愛が ―
 すぐに必要さ

 君がいないと
 まるでダメさ

 だから 膝をついて ―
 お願いするハメに "









I don't wanna be needing your love
I just wanna be deep in your love
And it's killing me when you're away, ooh, baby,
'Cause I really don't care where you are
I just wanna be there where you are
And I gotta get one little taste


"I gotta get one little taste"
今回、ここが一番の難所。
これも教科書では絶対に見られないですね。

前半は「それを手に入れなくちゃ」なんですけど、
後半の "little taste" が文法無視ですから、
ニュアンスで捉えるしかないと思います。

さすがに「薄味のそれ」って事はないでしょうから、
「それを味見しなきゃ」になるのでしょうか?
判然としませんので、字幕では少しズルをします(笑)


" 愛を必要としたくなんかない
 ただ 君の愛に溺れたいだけ
 君が消えたら死んじゃうよ

 どこにいようと問題じゃない
 君のそばにいたいだけさ
 そして アレをもらわなきゃ "









Your sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me?


"sugar" は「恋人」を容易に連想させますが、
ここでは "Your sugar" になっているのに注目。
"you are sugar" じゃなくて "your sugar" なんです。

これは、直後に "Yes, please" となっているので、
疑問系にこそなっていませんが、
「砂糖入れる?」「あ、おねげーしますだ」
というやり取りをベースにしていると考えられます。

したがって、次のように訳すと自然ではないでしょうか?


" 「お砂糖は?」
 うん 頼むよ
 ここに来て 俺に落としてよ "








I'm right here, 'cause I need
Little love, a little sympathy
Yeah, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life


"I'm right here" は「ここにいるよ」なのですが、
直前のパートで「ここ」を使っているので、
意訳して「おいでよ」としました。


" おいでよ
 だって必要さ
 少しの愛情と思いやりがね

 君の見せるステキな愛が
 元気にさせるんだ

 人生には ちょっと ―
 "あまいの" が必要さ "









My broken pieces
You pick them up
Don't leave me hanging, hanging
Come give me some
When I'm without ya
I'm so insecure
You are the one thing, one thing
I'm living for


"Come give me some"
この "give me some" は「ちょっとちょうだい!」
みたいな使い方をされます。
そうなると直訳は、
「こっちに来て、少しちょうだいよ」になります。

でも、少し分かりにくい感じがしたので、
字幕では意訳して「少しかまってよ」としました。


" 粉々な俺のカケラ
 君は拾い集める

 俺をほっとかないで
 少しかまってよ

 君がいないと
 すごく不安さ
 君は たったひとつ
 俺の生きる意味 "








I want that red velvet
I want that sugar sweet
Don't let nobody touch it
Unless that somebody's me
I gotta be your man
There ain't no other way
'Cause girl you're hotter than a southern California day


"red velvet"
アメリカ人がこう聞いて思い浮かべるのは、
おそらく "Red Velvet Cake" だと思われます。
毒々しいほど赤い色をしたケーキです。
red velvet cake


 
また、「赤いベルベット(ビロード)」なワケですから、
「赤くて滑らかなもの」・・・性的なイメージも浮かびますね。
「赤い舌」であったり「赤く艶やかな唇」であったり。

ただ、前者を字幕で説明するのはムリがありますね。
最初は「赤いケーキ」にしようかと思いましたが、
日本人には馴染みがありませんから伝わりませんね。

そうであれば、思いっきり抽象的に表現しましょう!


" あの "赤いの" が欲しい
 甘いヤツが欲しいんだ
 誰にも触らせちゃダメだよ
 そう 俺以外にはね

 君だけのオトコに
 他には考えられないよ
 だって 君って子は ―
 南カリフォルニアより熱いから! "








I don't wanna play no games
You don't gotta be afraid
Don't give me all that shy shit
No make-up on
That's my


"I don't wanna play no games"
これも普通ではあり得ない表現。
日本語なら二重否定で「ない+ない=ある」なんですが、
英語だと否定の言葉を重ねることで、単に意味を強めます。
「ない+ない=絶対にない」みたいな感じ。
 
"games" は前後の流れから、"love game" つまり
「恋の駆け引き」というのは想像できます。



" "かけひき" はナシ
 心配すんなよ
 遠慮もナシ
 ありのまま それが ― "








Sugar
Yes, please
Won't you come and put it down on me (down on me)?
I'm right here (right here), 'cause I need ('cause I need)
Little love, a little sympathy
So, baby, you show me good loving
Make it alright
Need a little sweetness in my life
Your sugar! (sugar!)
Yes, please (yes, please)
Won't you come and put it down on me?


さて、この最初の "Sugar" は、
前のパートの "That's my" から繋がっています。
"my sugar" です。 

じゃあこの "sugar" が何かというと、
前述の「恋人」であり、おそらく「(肉体的)快楽」の
暗喩があると思われます。
だってマルーン5だもん(笑)

再三、「俺の人生には "sweetness" が必要」と言っていますし、
先ほどの "red velvet" からもエロスを感じます。

"sweetness" を「楽しい事」=「快楽」と考えるならば、
対象物に溶けて混ざり、甘みが広がる砂糖という存在は、
やはり「(肉体的)快楽」の暗喩ではないでしょうか?

でも、マルーン5でなければ、そしてアダムでなければ
ここまで深読みしようとは思いませんでしたけどね。


前半はずっとストレートに訳してきましたので、
後半はアダムっぽく、ちょっとだけ「やらしく」しましょう!


"Won't you come and put it down on me" を
「こっちに来て 俺に乗っかんなよ」に変更。

"I'm right here" は「ほら ここさ」に。

"Little love, a little sympathy" を
「"愛" と "情" ってヤツがね」に変更。
日本語だと「情」てソッチ方面も想像させますよね。

"you show me good loving
 Make it alright"
「君の見せるイイモノが 元気にさせるんだ」に。
何を見せてくれたんでしょうか?
そして、何が元気になったのでしょうか?(笑)



" ありのまま それが ―
 俺のシュガーさ
 うん いいね!
 こっちに来て 俺に乗っかんなよ

 ほら ここさ
 必要なんだ
 "愛" と "情" ってヤツがね

 だから 君の見せるイイモノが
 元気にさせるんだ

 人生には ちょっと ―
 "あまいの" が必要さ

 「お砂糖は?」
 うん 頼むよ
 ここに来て 俺に落としてよ "



もとの雰囲気をそれほど損なう事なく、
マルーン5らしさを出せたと思うのですが、
みなさんはどう感じたでしょうか?

ヤリすぎ??



さて、前回の "Time After Time" 引き続き、 
今回も歌詞以外のパート(語りなど)を訳してみました。
字幕にする都合上、多少簡略化してはいますが、
アダムが何を言っているのか知りたい人は、どうぞ参考に。






いやぁ、字幕って本っ当に難しいもんですね。
ではまたお会いしましょう。






↓ 今回の曲はコチラ ↓


Maroon 5 - Sugar




 
Sugar [Explicit]
Universal Music LLC
2015-09-01



収録アルバム
V-ジャパン・スペシャル・エディション
マルーン5
ユニバーサル ミュージック
2015-07-24





V-デラックス・エディション(初回限定盤)(DVD付)
マルーン5
ユニバーサル ミュージック
2014-09-03