字幕づくり 第31回


1ヶ月半も更新をお休みしていました。
応援してくださったみなさん、本当にごめんなさい。

今回は "Kodaline" の "Ready" に挑戦します。
 



久しぶりに、心から「自分の手でやりたい!」と思った作品。


ビデオの最後に "PDJF" と出てきます。
私もこのビデオに出会うまでは知らなかったのですが、
"The Permanently Disabled Jockeys Fund" つまり・・・・・・
「回復不能な障がいを負った騎手のための基金」ということになります。

この曲は、その "PDJF" のサポートソング的な位置づけになりそうです。

"PDJF" の活動に興味のある方は、以下のサイトをチェックしてみてください。
https://pdjf.org (※英語サイト)









- Lyrics -


You tell me that you're ready but you just don’t know
My eyes are getting heavy and it’s starting to show
I’d never seen it coming, never seen a thing
Maybe I’ll get through it if it’s coming to me

‘Cause I’ve been so unlucky I don't know what to say
I’m running out of money, I’ve been wasting away
I’d never seen it coming, never seen a thing
Maybe I’ll get through it if it’s coming to me

We fall (We fall down)
If you fall (We fall down)
If you fall down hard I’ll be ready to crawl

And

I’m ready
I’m ready for it [x3]
All

Look me in the eye when I am talking to you
It’s easy to get nervous I’ve been feeling it too
Yeah it’s kinda crazy
Yeah it’s kinda dumb
Never let the pressure overpower the fun

Yeah I’m sure your parents might be saying it to you
Follow what you love and you will love what you do
Never let the pressure tell you that you’re not 
Capable of being everything that you want

We fall (We fall down)
If you fall (We fall down)
If you fall down hard I’ll be ready to crawl

And

I’m ready
I’m ready for it [x3]
All
[repeat]

I’m ready
I’m ready for it [x3]
All
[repeat]

Look me in the eye when I am talking to you
It’s easy to get nervous I’ve been feeling it too
Yeah it’s kinda crazy
Yeah it’s kinda dumb
Never let the pressure overpower the fun

‘Cause

I’m ready
I’m ready for it [x3]
All







※今回のポイント※


「できる限り原詩に忠実」「意訳は最小限」
いつもは、この二つを重視しているのですが、
今回は意訳が多めになっています。

なぜそうなったのか、解説をしていきます。


※ これ以降の文章は、2015年9月3日に加筆しました ※





You tell me that you're ready but you just don’t know
My eyes are getting heavy and it’s starting to show
I’d never seen it coming, never seen a thing
Maybe I’ll get through it if it’s coming to me


"My eyes are getting heavy and it’s starting to show"
「まぶたが重くなると、それは姿を見せ始める」
ちょっと字幕に収まりそうにないので意訳します。
「ベッドに入れば、まぶたに浮かぶ」



" 「準備はいいな」って ―
 分かっていないクセに

 ベッドに入れば ―
 まぶたに浮かぶ

 訪れたモノが 何なのか ―
 何も見えていなかった ・・・

 今の俺なら 乗り越えられるさ "








‘Cause I’ve been so unlucky I don't know what to say
I’m running out of money, I’ve been wasting away
I’d never seen it coming, never seen a thing
Maybe I’ll get through it if it’s coming to me


"I don't know what to say"
「何と言ったらいいか分からない」→「とにかく」

"wasting away"
「衰弱する」→「疲れきってた」



" とにかく 俺は運がなかったのさ
 金に追われて 疲れきってた

 訪れたモノが 何なのか ―
 何も見えていなかった ・・・

 今の俺なら 乗り越えられるさ "









We fall (We fall down)
If you fall (We fall down)
If you fall down hard I’ll be ready to crawl


"We fall (We fall down)"
二人で "fall down " すると言っているので、「共倒れ」に。

"I’ll be ready to crawl"
「這う準備をするぜ!」→「這ってでも行くぜ!」


" 共倒れだぜ ―
 お前が転んじまったら
 お前がハデにやらかしたら ―
 這ってでも行くぜ "









I’m ready
I’m ready for it [x3]
All


サビの部分です。
とても簡単なこのフレーズ。
これが、後になって私を苦しめました。


" 準備は ―
 もう できてるさ

 準備は ―
 もう できてるさ

 準備は ―
 もう できてるぜ
 とっくにな "








Look me in the eye when I am talking to you
It’s easy to get nervous I’ve been feeling it too
Yeah it’s kinda crazy
Yeah it’s kinda dumb
Never let the pressure overpower the fun



" 語ってる 俺の目を見てみろよ
 不安は 瞳に現れるんだ
 イカレてるよな
 馬鹿げてるよな
 "喜び" は 重圧に屈しはしない "







Yeah I’m sure your parents might be saying it to you
Follow what you love and you will love what you do
Never let the pressure tell you that you’re not 
Capable of being everything that you want


"Follow what you love and you will love what you do"
「君が好きなこと、やりたいと思えることに従事しなさい」
 →「本当にやりたい事を やりなさい」


" 親御さんは きっとこう言うよ
 「本当にやりたい事を やりなさい」
 プレッシャーなんか はねのけて
 何にだって なれるんだ "








We fall (We fall down)
If you fall (We fall down)
If you fall down hard I’ll be ready to crawl

And

I’m ready
I’m ready for it [x3]

All
[repeat]


またさっきのフレーズ。
しかも繰り返しです。
間延びしないように、最後は少し訳を変えます。



" 共倒れだぜ ―
 お前が転んじまったら
 お前がハデにやらかしたら ―
 這ってでも行くぜ

 準備は ―
 もう できてるさ
 準備は ―
 もう できてるさ
 準備は ―
 もう できてるぜ
 とっくにな

 準備は ―
 もう できてるさ
 準備は ―
 もう できてるさ
 準備は ―
 もう できてるぜ
 そうさ ・・・ "










I’m ready
I’m ready for it [x3]
All
[repeat]


なんと、また繰り返し!
そうです、これが私を苦しめた強敵です。

これが歌であれば、歌い方しだいで如何様にもなります。
でも、字幕ではそうもいきません。
難しいのは、"I’m ready for it" って言い回しがきかないこと。
「準備ができている」これ以外の表現が難しい。
言い換えができないんです。
「準備」「用意」の他に、何か浮かびますか?

かと言って、語尾などを細かく変える手法にも限界が。
同じような言葉を繰り返すと、字幕は本当に退屈になってしまいます。

悩みました。
悩んで悩んで、悩み抜きました。

そんな時にふと、この物語の主人公の気持ちに入り込んだんです。
「本当に準備はできているのか?」と。


この主人公は、大きな挫折を味わいました。
でも、再び立ち上がろうと決心したんです。
周囲から「ムリだ」「不可能だ」と言われても努力した。
そして、ようやくその場所に帰って来たました。
「やるだけのことはやった」
そう思い、足を踏み出そうとした瞬間 ・・・・・・
「本当に大丈夫なんだろうか?」
一抹の不安が胸をよぎります。

その不安を飲み込むかのように、内なる自分 ・・・・・・
この日のために努力してきた自分に問いかけます。
このように。



" 行けるのか?
 ああ 行けるさ

 行けるよな?
 ああ もちろんさ

 行けるのか?
 ああ 行けるさ ―
 きっと


 行けるだろ?
 ああ もちろんさ

 行けるだろ?
 ああ もちろんさ

 行くんだろ?
 決まっているさ ・・・

 行くよ "




自分の中で、何かが変わった瞬間でした。

かつて「手痛く失敗した何か」に再チャレンジする時、
人は決して前向きな気持ちだけではないハズなんです。
精一杯、明るく元気に振舞っては見せても、
心の中には消せない不安や葛藤がある。

それを飲み込んで、乗り越えて、
自分を鼓舞しながら足を踏み出すんですよね。









Look me in the eye when I am talking to you
It’s easy to get nervous I’ve been feeling it too
Yeah it’s kinda crazy
Yeah it’s kinda dumb
Never let the pressure overpower the fun

‘Cause

I’m ready
I’m ready for it [x3]
All



さて、フィナーレです。
不安を乗り越えた後は、純粋に前を向こう。
そんな気持ちを表現しました。




" 語ってる 俺の目を見てみろよ
 不安は 瞳に現れるんだ
 イカレてるよな
 馬鹿げてるよな
 "喜び" は 重圧に屈しはしない


 そう 準備は ―
 もう できてるのさ

 いつだって ―
 俺は 行けるのさ

 そう いつだって
 どんな時だって 必ず "




作っていて、本当に胸が熱くなりました。






前々回に作った "Jessie J - Flashlight" あたりで、
「自分のスタイルができあがったな」と考えていた自分。

でも、この "Ready" は、全く新しい境地を開かせてくれました。
感動です。




いやぁ、字幕って本っ当に難しいもんですね。
ではまたお会いしましょう。








↓ 今回の曲はコチラ ↓


Kodaline - Ready




レディー
Sony Music Labels Inc.
2015-02-25




収録アルバム

 
収録アルバム(MP3)